「なんとなく下がる」の正体──季節から考えるグロース施策の組み立て方

公開日: 2025.12.03

こんにちは。シナップ大川です。

今回はシナップの活動報告も兼ねた小冊子『SINAP Journal 2025 Summer』に掲載した「「なんとなく下がる」の正体──季節から考えるグロース施策の組み立て方」の記事をご紹介します。

「なんとなく、夏は反応が落ちる気がする」──そんな声を耳にしたことはありませんか?

気温やイベント、生活リズムの変化。たしかに夏は、ユーザー行動が少し揺らぎやすい季節です。
実際、BtoB領域では長期休暇の影響で商談や意思決定が滞りやすくなったり、BtoCでも帰省やレジャーで「いつもの行動」がズレてくることがあります。

一方で、観光・飲食・イベント系のように、むしろ活発になるサービスもあるでしょう。
こうした季節要因に目を向けて、施策や検証のタイミングを調整することも、グロースの大切な視点のひとつです。

私たちが年間500本以上のABテストを実施してきた経験から見えてきたのは、ユーザーの行動は季節やイベントによって大きく変化するということです。

年間イベントとユーザー行動の変化

時期

季節・イベント

1-2月

新年・決意の季節

新年の決意(習い事・転職・住宅購入)、初売り・福袋で高まる購買意欲、バレンタインのギフトや恋愛関連ニーズ。

3-4月

新年度・新生活の季節

年度末決算でBtoB駆け込み需要、卒業・入学・入社で引っ越しや新生活準備が活発化、転職・異動でキャリア需要増

5-6月

安定期とボーナス前

GWは旅行・レジャーが活発、他分野は一時停滞。母の日でギフト需要増、梅雨・ボーナス前は落ち着き、検討が進む時期。

7-8月

夏休み・お盆

夏休み準備で旅行・レジャー需要増、お盆は家族と相談する機会に。BtoBは長期休暇で商談や意思決定が停滞しやすい時期。

9-10月

秋の行楽・活動再開

新学期で学習・習い事の需要回復、秋の行楽で旅行需要が再び拡大。ハロウィンはイベントやエンタメ関連が活発化する時期。

11-12月

年末商戦・大掃除

ブラックフライデーやサイバーマンデーでEC最大の商戦期。ボーナスで高額商品の需要増、年末は断捨離やサービス見直しも。

春の新生活シーズンでは、転職・引っ越し・新しい習い事など、人生の変化を検討する時期。BtoB領域では年度末の駆け込み需要と新年度予算の開始が重なり、商談が活発化します。

夏のお盆時期は、久しぶりに会った親族や友人から「家を買った」「習い事を始めた」「保険を見直した」といった身近な人の体験談を聞く機会が増え、自分も検討してみようかな、と思うきっかけになりやすい時期です。

秋の活動再開期では、夏の停滞から活動が再開され、学習関連サービスは新学期需要で活発化。BtoB領域も下半期の予算執行が本格化します。

冬の年末商戦では、EC領域で年最大の商戦期を迎え、ボーナスの影響で高額商品の購買意欲も向上。新年とともに「新しいことを始めたい」という決意が芽生え、様々なサービスで新規獲得が活発化します。BtoB領域は年度末予算の消化と来年度の新規プロジェクト計画が並行し、1月以降の新規案件が動き出します。

ユーザーの行動は、毎月、毎週、少しずつ変化しています。数字の奥には、そのときどきの暮らしや気分のゆれが隠れています。

逆にいえば、季節は改善のチャンスをくれる「自然なタイミング表」

気づいたときにすぐ動ける柔軟さが、成果を分ける鍵になるかもしれません。

皆さんが日々向き合っている数値の変動。その背景には、季節という大きな流れがあります。CVR改善やリード獲得でお困りの際は、豊富な経験を持つシナップにお気軽にご相談ください。「こんなことでも相談していいの?」そんな小さな疑問からでも大丈夫です。
季節の変化を味方につけた、効果的な改善策をご提案いたします。

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年間500本以上のABテストを実施し会員登録や資料請求のCVR改善などリード獲得に強みを持った専門チームが、UXデザインと豊富な経験をもとにした仮説立案から実際のテスト代行・レポーティングまで、勝率の高いABテストの運用を支援します。

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大川 貴裕
大川 貴裕
Webサイトをはじめ、企業のブランドデザイン、グラフィックデザインなど幅広い分野で活躍している。国際的なデザインコンペティションほか受賞多数。Webデザイン専門学校などでUXデザインの講師も行う。HCD-Net認定 人間中心設計専門家。

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