Web制作会社が解説!生成AIでWebサイトを制作するときに押さえたい5つのポイント

公開日: 2026.11.04

生成AIの進化により、設計からデザイン、原稿作成、実装まで、誰でも短期間でWebサイトを制作できるようになりました。
制作会社に依頼せず、生成AIを活用して自分たちでWebサイトを作ってみよう、という取り組みも増えているかと思います。

一方で、生成AIが提案した設計やデザイン、生成されたコードを、そのまま採用してよいのかは気になるところです。特に社内にWeb担当者が少ない場合には、判断に迷っても相談できる相手がいないことも多いのではないでしょうか。

私たちも日々の制作業務で生成AIを活用し、便利さを実感しています。しかし、生成AIが出力したものが、必ずしも最適なものとは限らず、これまでに培ってきた知識や経験をもとに、必要に応じて確認・修正しながら活用しています。

そこで今回は、生成AIでWebサイトを作ってみようと考えている方へ、生成AIのメリットを活かしながら制作するために押さえておきたいポイントをご紹介します。

5つのポイント早見表

ポイント

主なチェック観点

1. 目的と要件を決めてから作り始めているか

目的・ターゲット・成果指標・必要な機能

2. デザインや文章で自社らしさを伝えられているか

ブランド表現・独自性・情報の正確性

3. 見た目だけでなく、使いやすさも考えられているか

UX・UI・アクセシビリティ・動作確認

4. 検索エンジンやAI検索で見つけてもらえるか

SEO・AI検索・情報構造

5. 公開後も安全に運用できるか

セキュリティ・保守・技術選定

1. 目的と要件を決めてから作り始めているか?

これは生成AIに限らず、Webサイト制作でよくつまずくポイントでもあります。

生成AIに依頼すると、見た目の整ったWebサイトがすぐにできあがります。しかし、目的やターゲットがあいまいなままでは、構成やデザインの判断基準がなく、修正を繰り返すことになりかねません。

生成AIを活用する場合も、サイトの目的やターゲット、成果指標、必要な機能などを整理しておくことが大切です。
これらの項目は、生成AIと相談しながら整理するのも一つの方法です。要件を明確にすることで、生成AIへの指示も具体的になり、目的に合った提案を得やすくなります。

チェックしたいこと

  • サイトの目的(問い合わせ獲得、採用、信頼づくりなど)とターゲットが決まっていて、社内で合意が取れているか
  • 成果を測る指標(閲覧数や問い合わせ数など)や計測のためのツール(GA4やGTMなど)が決まっているか

2. デザインや文章で自社らしさを伝えられているか?

生成AIが作成したデザインや文章をそのまま使用すると、どこかで見たような仕上がりになり、自社の特徴や強みが伝わりにくくなることがあります。

見る人によっては「生成AIで作ったまま」という印象を受けることもあります。十分に検討されていないように見えたり、自社らしさが欠けていたりすると、実際の企業イメージとのギャップが生じ、信頼を損なう可能性もあります。

デザインは自社のブランドイメージやトーン&マナーに合っているか、文章は自社の特徴や強みを正しく伝えられているかを確認しましょう。
また、実績や数字、サービス内容などは、公開前に必ず事実確認を行うことが大切です。

チェックしたいこと

  • ロゴの使い方や色、言葉づかいなど、自社のルールに沿っているか
  • 自社ならではの強み・事例・言葉が入っているか(競合サイトと並べて、社名を隠しても自社だと分かるかを見てみるなど)
  • 数字・固有名詞・サービス内容が、社内の資料と一致しているか

3. 見た目だけでなく、使いやすさも考えられているか?

見た目が整っていても、ターゲットユーザーにとって使いやすいとは限りません。

必要な情報に迷わずたどり着けるナビゲーションになっているか、スマートフォンやパソコンなど異なるデバイスでも見やすく操作しやすいか、実際に確認することが大切です。
また、初めて訪れる人と、繰り返し利用する人では、サイトに求める情報や行動も異なります。利用者の目的や利用シーンに合わせた導線になっているかも確認しましょう。

さらに、アクセシビリティの観点から、色の組み合わせや文字サイズ、キーボードでの操作など、さまざまな利用者への配慮も必要です。アクセシビリティはどのWebサイトでも重要ですが、特に公共性の高いサイトでは、より丁寧な確認が求められます。

チェックしたいこと

  • 想定ユーザーが、迷わず目的を達成できる導線になっているか(Web担当以外の社員に「〇〇の情報を探して」と頼み、簡易的なユーザーテストを行うなど)
  • 文字と背景のコントラスト、代替テキスト、キーボード操作など、アクセシビリティの基本を満たしているか(Chromeに標準搭載されている無料の診断機能「Lighthouse」で、点数と問題箇所を確認するなど)
  • 主要なブラウザとスマートフォン実機で、表示と操作を確かめたか

4. 検索エンジンやAI検索で見つけてもらえるか?

SEO(検索エンジン最適化)やAIO(AI検索最適化)を意識した設計も重要です。
ターゲットユーザーの検索キーワードや競合サイトの傾向を調査し、ページ構成や見出し、文章に反映できているか確認しましょう。

また、AI検索で情報を正しく理解・参照してもらうためには、情報をわかりやすく整理することも大切です。質問と回答をセットにしたQ&A形式や、自社の経験に基づく独自の情報を掲載することも有効な方法の一つです。

チェックしたいこと

  • ターゲットユーザーが検索するキーワードや悩みに合った内容になっているか(Googleサーチコンソールで、実際にどんな検索語句で見られているかを確認するなど)
  • 見出しの順序やページの階層が論理的に整理されているか
  • meta情報や構造化データが適切に設定されているか
  • 自社の経験や事例に基づく独自性の高い情報があるか

5. 公開後も安全に運用できるか?

生成AIが作成したWebサイトは、画面上では問題なく動いていても、安全性や保守性まで保証されているわけではありません。

例えば、必要以上に動的な仕組み(独自の管理画面や会員機能、場合によっては検索の仕組み)を取り入れることで、セキュリティリスクや保守の負担が増えることがあります。問い合わせフォームなども、独自に開発するのではなく、セキュリティ対策が整った専用サービスを利用するのも一つの方法です。

また、公開後に適切な保守が行われないと、脆弱性が放置されるリスクもあります。自社で管理・更新できるかも考慮し、無理なく運用できる技術やツールを選びましょう。

チェックしたいこと

  • 自社の運用体制に合った技術やツールを選定しているか
  • CMSやプラグイン、ライブラリなどを継続的に更新・保守できるか(使っているもののバージョンとサポート期限を一覧にして管理するなど)
  • 必要以上に複雑な仕組みや動的な機能を取り入れていないか
  • フォームや管理画面などに必要なセキュリティ対策が施されているか(フォームは、セキュリティ対策が整った外部サービスを利用するなど)

まとめ

最後に、5つのポイントを振り返ります。

  1. 目的を決める 目的・ターゲット・成果指標を整理し、生成AIへの指示を具体的にする
  2. 自社らしさを確かめる ブランドイメージに合っているかを見て、実績や数字は事実確認する
  3. 使って確かめる 異なるデバイスで操作し、導線とアクセシビリティを確認する
  4. 見つけてもらう 検索キーワードを調べて反映し、情報をわかりやすく整理する
  5. 安全に運用する 自社で無理なく更新・保守できる技術やツールを選ぶ

生成AIを活用することで、Webサイト制作はこれまで以上に手軽で身近なものになりました。

一方で、生成AIが作ったものをそのまま採用するのではなく、目的に合っているか、使いやすいか、安全に運用できるかなど、それぞれの利用用途に合わせて人間が確認・判断すべきこともあります。生成AIを上手に活用しながら、判断が難しい部分は専門家に相談することも一つの方法です。

シナップでは、UXリサーチやUXデザインを含むWebサイトの企画・設計から、制作、運用まで幅広くサポートしています。自分たちで作ったサイトは、使いやすさを客観的に判断しにくいもの。ヒューリスティック調査(専門家の視点でサイトの使いやすさを評価する手法)など、今のサイトの課題を洗い出す部分だけのご相談も承ります。お気軽にお問い合わせください。

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村田 歩美
村田 歩美
HCD-Net認定 人間中心設計専門家。SIerでの業務経験を経てシナップへ入社。UXデザインを中心にマルチに活躍するディレクター。大阪生まれ東京育ち。猫と果物が好き。

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